【行田市】平屋vs2階建て、本当にお得なのはどっち?建築費と維持費を比較
新築住宅を検討する際、平屋と2階建てのどちらを選ぶか迷われる方は少なくありません。
「平屋は2階がない分、建築費が安いはず」と考える方もいれば、「土地が広く必要で割高」と思う方もいらっしゃるでしょう。
今回の記事では、行田市で90年以上にわたり住まいづくりに携わってきた経験から、平屋と2階建ての費用について、建築費と維持費の両面から詳しく解説します。
お客様のライフスタイルや土地の条件に応じた最適な選択ができるよう、具体的な数字とともにお伝えしていきます。
坪単価で見ると平屋が高い理由
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建築費を比較する際、よく使われる指標が「坪単価」です。
現在の行田市の木造住宅の坪単価は、目安として平屋で80万〜100万円程度、2階建てで70万〜90万円程度となっており、同じ延床面積で比較した場合、平屋の方が1割〜2割ほど高くなる傾向があります。
平屋の坪単価が高くなる最も大きな理由は、基礎と屋根の面積が広くなることです。
例えば延床面積30坪の住宅を建てる場合、2階建てなら1階15坪・2階15坪と面積を分散できますが、平屋はすべて1階に配置するため、建築面積が30坪必要になります。
基礎工事と屋根工事は建物工事費の中でも大きな割合を占めるため、その面積が倍になれば、コストも上がるのです。
さらに、日本では2階建ての住宅が主流であることも影響しています。
2階建て用の部材は大量に流通しているため、ハウスメーカーや工務店も比較的安価に仕入れることができます。
一方で平屋の需要は相対的に少ないため、部材調達のコストが割高になりやすい傾向があります。
総工費では2階建ての方が高くなることも
坪単価だけを見ると平屋の方が高く見えますが、実際の総工費で比較すると、必ずしもそうとは言えません。
2階建ての場合、階段とそれに付随するスペースが必要になります。
最も省スペースな設計でも2畳程度は必要です。
ゆとりを持たせた設計では3畳〜4畳程度を確保するケースもあります。
延床面積30坪で建築費2,700万円の平屋を例に考えてみましょう。
坪単価は90万円となります。
同じ居住スペースを確保する2階建てを建てる場合、階段周りで約2畳〜3畳(約1.5坪)が必要になるため、延床面積は31.5坪程度になります。
2階建ての坪単価を80万円とすると、総工費は約2,520万円となり、坪単価では2階建ての方が安く見えます。
ただし、最近の2階建てでは1階だけでなく2階にもトイレや洗面所を設置するケースが増えています。
2階にトイレと洗面所を設けると、約1畳〜2畳程度のスペースと、その設備費・施工費が追加で必要です。
階段周りと2階の水回りを合わせると、約4畳〜6畳(約2.5坪〜3.5坪)の追加スペースが発生し、その分の建築費が上乗せされます。
建築費の比較参考例(延床面積30坪の場合)
| 項目 | 平屋 | 2階建て(階段のみ) | 2階建て(階段+2階水回り) |
|---|---|---|---|
| 居住スペース | 30坪 | 30坪 | 30坪 |
| 追加必要スペース | – | 階段周り 1.5坪 | 階段周り 1.5坪 + 2階水回り 1.5坪 |
| 延床面積合計 | 30坪 | 31.5坪 | 33坪 |
| 坪単価の目安 | 90万円 | 80万円 | 80万円 |
| 総工費の目安 | 2,700万円 | 2,520万円 | 2,640万円 |
※上記は一般的な目安です。実際の費用は仕様や設備のグレードによって変動します。
土地代の違いが大きな分かれ目
建物の建築費以上に大きな差が出るのが、土地代です。
同じ延床面積の住宅を建てる場合、平屋は2階建てに比べて約2倍の土地面積が必要になります。
建ぺい率50%の土地を例に考えてみましょう。
延床面積120㎡(約36坪)の住宅を建てる場合、平屋では建築面積が120㎡必要なため、240㎡(約72坪)の土地が必要です。
一方、2階建てなら1階部分が60㎡で済むため、120㎡(約36坪)の土地があれば建築できます。
行田市の住宅地における土地価格の目安は、坪単価で約8万〜12万円程度です。
36坪の土地なら288万〜432万円、72坪なら576万〜864万円となり、その差は288万〜576万円にもなります。
これは建物の建築費に匹敵する金額ですから、土地代を含めた総予算で考えることが重要です。
都市部や駅近など、土地価格が高いエリアでは、この差はさらに大きくなります。
広い土地を比較的安価に取得できる郊外であれば、平屋を選択しやすくなるのも事実です。
必要な土地面積と費用の比較参考例(建ぺい率50%の場合)
| 項目 | 平屋 | 2階建て |
|---|---|---|
| 延床面積 | 120㎡(約36坪) | 120㎡(約36坪) |
| 建築面積 | 120㎡(約36坪) | 60㎡(約18坪) |
| 必要な土地面積 | 240㎡(約72坪) | 120㎡(約36坪) |
| 土地代の目安(坪単価8万円) | 576万円 | 288万円 |
| 土地代の目安(坪単価12万円) | 864万円 | 432万円 |
※建ぺい率は地域によって異なります。
固定資産税は平屋の方が高くなる傾向
マイホームを持った後、毎年支払うことになるのが固定資産税です。
固定資産税は土地と建物それぞれの評価額をもとに算出されるため、平屋と2階建てで違いが生じます。
土地の評価は、売買実例価格や地価公示価格を基準としています。
同じ延床面積の住宅を建てる場合、平屋の方が広い土地が必要になるため、その分土地にかかる固定資産税も高くなります。
建物の評価は再建築価格、つまり同じ建物を新築した場合の建築費が基準です。
平屋は基礎や屋根の面積が広くなる傾向があるため、建築費が高くなり、結果として建物にかかる固定資産税も高くなりやすいのです。
ただし、固定資産税には新築住宅に対する軽減措置があります。
一般的な新築住宅の場合、新築後3年間は固定資産税が2分の1に減額されます。
さらに長期優良住宅の認定を受けた場合は、新築後5年間、固定資産税が2分の1に減額される特例措置があります。
この軽減措置を受けるには、床面積が50㎡以上280㎡以下などの条件を満たす必要があります。
メンテナンス費用は2階建ての方が高額
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建物を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
特に外壁や屋根の塗り替え、雨どいの清掃などは、10年〜15年ごとに必要になる重要なメンテナンスです。
2階建ての場合、これらのメンテナンス作業には必ず足場が必要になります。
足場の組み立て・解体・運搬にかかる価格は、1㎡あたり600円〜1,000円程度が相場です。
一般的な30坪程度の住宅で外壁全面を施工する場合、足場設置費用だけで15万円〜25万円程度かかります。
外壁塗装や屋根の補修工事を含めると、1回のメンテナンスで100万円以上かかるケースも少なくありません。
平屋なら、最低限の簡易足場で済むこともあるため、メンテナンス費用を大幅に抑えることができます。
また、2階建てで2階にも水回り設備を設けている場合、配管経路が複雑になり、トラブルが発生した際の修理も難しくなります。
トイレや洗面所の設備交換も、そのぶん費用がかかることを考慮しておく必要があります。
平屋の場合、すべての設備が1階にまとまっているため、点検や修理がしやすく、長期的な維持管理コストを抑えやすいという利点があります。
30年、40年と住み続けることを考えると、このメンテナンス費用の差は決して小さくありません。
補助金を活用して建築費を抑える
新築住宅を建てる際には、国や自治体の補助金制度を活用することで、建築費の負担を軽減できます。
補助金制度は年度によって内容が変わるため、最新の情報を確認することが大切です。
一般的に、省エネ性能の高い住宅を建てる場合に補助金が受けられる制度が用意されています。
長期優良住宅やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準の住宅では、数十万円から百万円以上の補助が受けられるケースもあります。
これらの補助金を受けるためには、一定の省エネ基準を満たす必要があり、その分の初期投資は増えます。
しかし、断熱性能や気密性能を高めることで、日々の光熱費が削減でき、長期的にはコストが削減できるメリットが得られます。
快適な室内環境も実現できるため、単なるコストではなく、価値ある投資と考えることができるでしょう。
行田市では、住宅改修に関する補助制度もあります。
こうした補助金制度は年度ごとに内容が変わることも多く、申請方法や必要書類も複雑です。
地域の工務店は地元の補助金制度に精通しているため、どの制度が利用できるか、どのように申請すればよいかなど、具体的なアドバイスを受けることができます。
門倉工務店でも補助金活用のご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
どちらを選ぶべきか、判断のポイント
平屋と2階建て、どちらがお得かという問いに対する答えは、「どちらが自分たちのライフスタイルや条件に合っているか」によって変わります。
次の項目に当てはまる方は、平屋が適している可能性があります。
- 比較的広い土地を取得できる、または既に広い土地を所有している
- 階段の上り下りがない生活を希望している(小さなお子様や将来のバリアフリーを重視)
- 効率的な家事動線を優先したい
平屋が向いているのは、比較的広い土地を取得できる方、または既に広い土地をお持ちの方です。
階段の上り下りがないため、小さなお子様がいるご家庭でも安心ですし、将来的なバリアフリーを考えると、長く住み続けやすい住まいと言えます。
すべての生活空間が1階にまとまることで家事動線も効率的になり、日々の暮らしやすさは大きな魅力です。
次の項目に当てはまる方は、2階建てが適している可能性があります。
- 土地の広さに制約がある、または都市部・駅近など土地価格が高いエリアで建築予定
- 限られた土地面積で十分な居住スペースを確保したい
- プライベート空間を2階に設けて、家族それぞれの生活リズムに対応したい
2階建てが向いているのは、土地の広さに制約がある方、特に都市部や駅近など土地価格が高いエリアで建築を検討されている方です。
限られた土地面積でも十分な居住スペースを確保できますし、2階にプライベート空間を設けることで、家族それぞれの生活リズムに対応しやすくなります。
高い位置に窓を設けることで採光や通風を確保しやすいという利点もあります。
上記に加え、費用面も踏まえた上で比較検討することも大切です。
建築費の坪単価だけでなく、土地代、固定資産税、メンテナンス費用など、トータルのライフサイクルコストを考慮しましょう。
30年、40年と住み続けることを考えると、初期費用だけでなく、維持管理のしやすさや将来的なリフォームのしやすさも重要な判断材料になります。
門倉工務店では、お客様の土地の条件やご予算、ライフスタイルに合わせて、平屋・2階建てそれぞれの具体的なプランと費用をご提案しています。
図面や見積もりを比較しながら、お客様にとって本当に価値のある選択ができるよう、丁寧にサポートさせていただきます。
行田市で長年培ってきた経験と、地域の土地事情に精通した知識を活かし、お客様の理想の住まいづくりをお手伝いいたします。
※本記事における数値や相場のデータは2025年11月時点での情報です。