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中古住宅×リノベーションが選ばれる理由とは?今、注目される背景を解説

日本の住宅市場が大きな転換期を迎えています。 新築住宅の供給が減少する一方で、中古住宅市場は着実に拡大しています。

2023年5月から2025年1月にかけて、中古戸建住宅の成約件数は21ヶ月連続で前年同月を上回っています。 中古マンションも2023年後半以降、概ね前年超えで推移しました。 対照的に、新築住宅の持家系着工は2024年9月まで30ヶ月以上連続でマイナスとなっており、市場の主役交代が鮮明になってきたと言えるでしょう。

参考資料:公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)

変わりゆく住宅取得の選択肢

かつて日本では新築住宅への志向が強く、住宅取引全体に占める中古住宅の割合は2008年時点で約13.5%にとどまっていました。 欧米諸国の中古住宅流通シェアが70〜90%台であることと比較すると、日本は1/6程度という低水準だったのです。

しかし近年、この状況に変化が見られます。 国土交通省の住生活総合調査では、住み替え時に「新築にこだわらない」とする回答が約33%まで増加しました。 「中古住宅を選ぶ」という回答も、20年前の2.7%から2023年には23.7%へと大幅に上昇しています。

調査項目 20年前 2023年
中古住宅を選ぶ 2.7% 23.7%
新築にこだわらない 約33%

新築だけでなく、中古住宅を購入してリフォームする、あるいはリノベーション済み物件を購入するといった選択肢が、住まい取得のスタンダードになりつつあるようです。

参考資料:既存住宅市場の整備・活性化懇談会

新築価格高騰が促す中古市場への注目

中古住宅市場が活性化している背景には、新築住宅価格の高騰があります。

建築資材費や人件費の上昇により、新築住宅の価格はこの数年で2〜3割も値上がりしました。 実質賃金の伸び悩みや住宅ローン金利の上昇局面も重なり、高額なローンを避けたい層が増えている状況です。

国土交通省の調査でも、中古住宅を選んだ理由のトップは「予算的に中古の方が手頃だったから」となっています。 経済的負担を抑えたいという現実的な判断が、中古住宅とリノベーションの組み合わせを選択する大きな要因となっているのでしょう。

新築住宅の着工戸数は長期的な減少傾向にあり、直近は年80万戸前後で推移しています。 これは、かつての平均(2011〜2020年の平均は約90万戸台)や100万戸を超えていた時代と比べて低い水準です。少子高齢化による今後の需要減や建設コスト高騰もあって、2040年には着工58万戸まで落ち込むとの見通しも示されました。

参考資料:建築・住宅関係統計(国土交通省)

リノベーションが選ばれる3つの理由

中古住宅への関心が高まる中で、リノベーションの需要も拡大しています。 その背景には、大きく3つの理由が挙げられます。

1. 建て替えより費用を抑えられる

古い建物を解体して新築する場合、解体費用と新築費用の両方がかかります。

一方、リノベーションであれば既存の構造を活かせるため、建て替えに比べて費用を抑えられます。

浮いた予算を設備のグレードアップや内装のこだわりに充てられる点も、リノベーションが選ばれる理由のひとつです。

2. 築古物件ならではの魅力

築古物件でも、リフォームやリノベーションによって自分好みの空間を実現できるという認識が広がってきました。 新築住宅では得られないヴィンテージな趣や、築古物件ならではの味わいを引き出すことも可能です。 古民家をカフェや宿泊施設に転用して地域活性化を図る動きも各地で見られるようになっています。

3. 環境に優しい選択

既存の建物を活かすことは、建築廃材の削減や資源循環の観点で環境に優しい選択でもあります。 スクラップアンドビルド(建てては壊すを繰り返す手法)からストック活用(既存建物を長く使う考え方)へという流れは、持続可能な社会づくりにも合致しています。

充実してきた政府の支援策

中古住宅市場の活性化とリノベーション需要を後押ししているのが、政府による各種支援策です。

主な補助制度の変遷

住宅リフォームに関する補助制度は、年度ごとに内容が更新されています。

制度名 実施期間 概要
こどもエコすまい支援事業 2023年(終了) 子育て世帯・若年夫婦世帯向けのリフォーム補助
子育てエコホーム支援事業 2024年(終了) 上記の後継事業
子育てグリーン住宅支援事業 2025年度〜 現行の子育て世帯向け住宅支援制度
長期優良住宅化リフォーム推進事業 〜2025年度 既存住宅の長寿命化・高性能化を支援(2025年度で終了予定)

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、国土交通省が2014年に創設した補助制度です。 インスペクション(住宅診断)の実施や耐震・劣化対策など一定の性能向上工事を条件に、評価基準型で80万円/戸、認定長期優良住宅型で160万円/戸を上限として補助金が支給されます。 長期優良住宅とは、耐震性・省エネ性・維持管理のしやすさなど国が定めた基準を満たし、長期にわたって良好な状態で使用できる住宅のことです。 なお、本事業は2025年度予算分をもって終了が予定されています。

この制度により、耐震改修や断熱改修を含む大規模リノベーションへの後押しが行われており、補助を活用して性能向上リフォームに踏み切るケースも増えているようです。

子育てグリーン住宅支援事業は、2025年度にスタートした省エネ住宅向けの補助制度です。 2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、省エネ性能の高い新築住宅の取得や既存住宅の省エネリフォームを支援する目的で創設されました。

リフォームについては、開口部の断熱改修・躯体の断熱改修・エコ住宅設備の設置という3つの必須工事のうち、2つ以上を実施した場合に最大40〜60万円の補助が受けられます。

なお、2025年度の本事業は予算上限に達したため、新築(注文住宅・分譲住宅)およびリフォームの交付申請受付はすでに終了しています。 今後も同様の支援制度が継続される可能性がありますので、最新情報は国土交通省の公式サイトでご確認ください。

税制面での優遇措置

住宅ローン減税における中古住宅適用要件も緩和されました。 2022年度の改正により、1982年以降に建築された住宅であれば築年数に関わらず控除の対象となっています。 これにより、築古物件の購入ハードルが大きく下がりました。

耐震改修やバリアフリー・省エネ改修工事に対するリフォーム減税制度(所得税控除)も整備されています。 また、既存住宅売買時の瑕疵保険制度(売買後に見つかった欠陥を保証する保険)の充実など、中古住宅の流通促進・リフォーム促進策が拡充されてきました。

政府は2016年策定の住生活基本計画において、2025年までに中古流通市場規模を8兆円、リフォーム市場を12兆円規模へ倍増させる目標を掲げていました。 2023年時点での実績は、既存住宅流通が約4.6兆円、リフォーム市場が約7.7兆円と目標には届いていませんが、市場拡大に向けた予算措置・税制優遇は継続的に講じられています。

深刻化する空き家問題と既存ストックの活用

中古住宅市場の活性化を後押ししている背景には、深刻化する空き家問題があります。

2023年時点で日本全国の空き家数は約900万戸に達し、空き家率は13.8%と過去最高を記録しました。 特に賃貸用・売却用でもない放置空き家が385万戸に上っており、地方を中心に深刻化しています。 空き家の放置は景観悪化や防犯・防災リスクを招くため、既存住宅の有効活用が住宅政策の重要課題となってきました。

こうした状況を受けて、政府は法整備と支援策の両面から対策を進めています。 2015年施行の空家等対策特別措置法により、倒壊の恐れがある特定空き家への行政代執行を可能にしたほか、中古住宅の流通促進やリフォーム需要の喚起に向けた補助制度も拡充されてきました。

「良いものを作り、手入れして長く使う」社会への転換が、国土交通省でも重要視されるようになっています。 豊富に存在する既存住宅ストック(すでに建っている住宅資産)を活用する方向に、政策も市場もシフトしつつあるのです。

参考資料:令和5年住宅・土地統計調査(総務省統計局)

中古住宅でも安心して購入できる仕組みづくり

中古住宅購入時の不安を解消する取り組みも進んでいます。

国土交通省は既存住宅インスペクション(住宅診断)の普及を図っており、2018年には一定の品質を満たす中古物件を認定して広告に「安心R住宅」マークを表示できる制度も創設しました。

「安心R住宅」は、「中古は不安・汚そう・情報が不透明」といったイメージを払拭し、「住みたい」「買いたい」と思える中古住宅を選びやすくする環境整備が目的です。 認定にはインスペクション実施やリフォーム工事履歴等の情報開示が条件となっており、消費者が安心して既存住宅を購入できる仕組みになっています。

大手仲介業者を中心とした住宅品質への保証サービスも充実してきました。 こうした施策は中古住宅への心理的ハードルを下げ、市場活性化に一定の効果を発揮しています。

変化するユーザー層とニーズ

中古住宅とリノベーションを選ぶユーザー層にも変化が見られます。

従来、新築志向が強かった日本の住宅取得ですが、近年は初めてのマイホームに中古住宅を選ぶ若い世帯が増えてきました。 20〜30代の子育て世帯が予算内で持ち家を得る手段として、中古とリノベーションの組み合わせを選択するケースが目立っています。

一方で、高年収で本来新築を購入できる層であっても、中古リノベを選ぶ例があります。 「住居にお金をかけすぎず趣味や教育に回したい」「あえて中古を買って自分好みに改装する方が充実感がある」といった考えです。 人それぞれの価値基準に応じた選択肢として、中古リノベが市民権を得てきたと言えるでしょう。

門倉工務店の取り組み

門倉工務店では、長年培ってきた木造住宅の施工技術を活かし、リフォーム・リノベーションにも力を入れています。

構造や性能面での確かな技術に加え、お客様のライフスタイルに寄り添った空間づくりをご提案させていただいております。 耐震診断やインスペクションから、断熱改修、間取り変更を伴う大規模リノベーションまで、幅広く対応できる体制を整えています。

各種補助金制度の活用についてもご案内しており、お客様の経済的負担を軽減しながら、性能の高い住まいを実現するお手伝いをさせていただいております。 中古住宅の購入からリノベーション、そして長期的なメンテナンスまで、住まいに関する総合的なサポートを通じて、皆様の豊かな暮らしの実現をお手伝いできればと考えています。


中古住宅市場の活性化とリノベーション需要の拡大は、単なる流行ではなく、日本の住宅市場の構造的な変化として定着しつつあります。

住まい選びの選択肢が広がる中、新築・中古それぞれの特長を踏まえながら、お客様にとって最適な住まいのかたちをご一緒に考えさせていただければ幸いです。

※補助金制度は年度ごとに内容が変更されるため、ご利用を検討される際は、国土交通省や各自治体の公式サイトで最新情報を必ずご確認ください。

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